Message

当社は、設立50周年を迎える2022年を節目に、社長交代を含めた世代交代を実現しようと目下さまざまな改革に取り組んでいます。10年がかりのこのプロジェクトでは、まず管理職の意識改革を行い、それまでの家業的経営から大勢の社員を統制できるしくみの構築に取り掛かりました。これに先立って、2002年には業界に法令遵守の重要性を問うべく率先してISO9001を取得しており、「運ぶ」「アウトソーシング」「保管する」の3事業の業務品質については、第三者による立証がなされていました。

これを受けて、人事面では社員の就労環境にスポットを当て、重点課題として「労働環境の改善」、「人財の育成」、「キャリアプランの構築」の3点を掲げました。労働環境の改善については、特に運輸部を中心に勤務体制の適正化を図り、同時に事故ゼロに向けた安全運転講習会や日常点検講習会を定期的に開催するなどドライバー自身への啓蒙活動にも力を入れています。一方アウトソーシング事業については、自社設備内での就業ではなく「構内請負」の形態を採るため、お客様企業のご理解、ご協力を請う形で、より働きやすい環境の提供に努めています。

当社は50年に及ぶ歴史の中で、業務ノウハウを着実に蓄積し、それを会得したプロフェッショナル人材を輩出してまいりました。今後、業容業態を拡張するには、そうしたプロが培ってきた特別なスキルを次世代の若手に効率的に引き継ぐ仕組みが必要になります。そこで、プロに内在していた無形の資質、能力を棚卸し、これを職位ごとに整理することで「見える化」しました。

その上で、それらの能力を習得するために、部門ごとの専門スキル研修と、部門横断的なゼネラリスト向け研修とに分けて、教育体系を構築しました。これにより、キャリアステップが明確になり、次に何をすればよいか、目標がはっきりしてきます。研修メニューはまだ十分ではありませんが、節目となる2022年に向けてさらなる充実を図ってまいります。

当社にはさまざまな職種があります。大型トラックドライバー、フォークリフトを駆使しての荷下ろし、格納作業を担うデバンニング担当者、お客様からの出荷指示を受けて伝票を作成する事務担当者、仕分け、検品作業者、出荷担当者など多岐に亘っています。各パートを担う社員さんには外国人の方もいらっしゃいます。こうした環境の中で、現在当社が特に力を入れているのは、全体を管理するマネージャー職の育成です。効率的な作業段取りが組めて、各パートの人材のモチベーションを高め、歩留まりや生産効率を向上できる人材ということになります。ご入社いただく方の中にはこの種の業務経験を積まれた方もいらっしゃるかもしれませんが、

原則現場作業を一通り経験していただき、各工程の業務上のポイントを確認、あるいは習得していただく形を採っています。その上で、各工程のエキスパートを目指す、あるいは物流のプロとして経営幹部を目指すなど、ご本人の希望を伺い、相談の上で将来の方向性を決めていきます。これまでにドライバーから倉庫内のデバニング担当に職種転換した方もいらっしゃいます。物流ビジネスは可能性を秘めた世界です。3PL事業が本格化すれば、お客様の物流業務全体を効率化する改善提案やスキームの最適化を実現するスキーム作りに挑戦する機会も増えてまいります。能力とやる気次第で、フィールドは無限に広がります。みなさまのチャレンジ、心よりお待ち申し上げます。